雪の日
「自分のせいだって、思い込みたいだけでしょ? 本当は、死んで雛子のところに行こうとしたんでしょ」


あたしの言葉に、返す言葉をもたない。


図星……だったみたい。


「雛子が死んで、悲しいのが自分だけだと思わないで。あたしだって、雛子がいなくなって悲しいわよ。雛子のご両親だって、それこそ死ぬほど悲しいと思ってるでしょう」


こんなこといって、彼がつらくなるのは分かってる。


でも、彼には生きていてほしいから。


「悲しいのは、みんな一緒だから」


だから、自分で自分を殺すのはやめて。


泣きながら、お願いした。

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