雪の日
彼の前の恋人――雛子。


彼女はあたしの親友でもあった。


彼と雛子はお互いにとても愛し合っていて。


相手がいなくちゃ生きていけない。


それくらい、深い愛だった。


そんな二人を、あたしは一番近くで見ていた。


お互いの誕生日のプレゼント選びにつき合わされるのは、いつもあたし。


時々するけんかの仲裁も、あたし。


あたしは雛子が大好きで、彼も友達として大好きだった。


だから、二人が結婚すると聞いたときは心から祝福できた……はずだった。


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