雪の日
二人して、顔を赤くしながらあたしに結婚することを報告してくれた日。


あたしは、ひとりで泣いた。


仲間はずれにされたような、孤独感と。


雛子を彼に取られたような、寂しさ。


そして、救いようのない、自分の愚かさに。


自覚した途端に、叶うことのなくなった恋。


絶対に、知られてはいけないあたしの気持ち。


雛子にも、彼にも。


どこにも行き場のない、あたしの心。


生まれたと同時に、消さなければいけない……あたしのかわいそうな恋に、泣いた。

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