雪の日
けんかして、彼の部屋を出て行って、そのまま戻らなかった雛子。


彼は、雛子が死んだのは自分のせいだと思い始めた。


鬱々と部屋に閉じこもったまま、自分を責め続ける彼。


そんなことはないとあたしがいっても、聞く耳を持たなくて。


そのうち、あたしと連絡も取ってくれなくなった。


あたしを見ると雛子を思い出すから、会いたくない、ということだった。


それならしかたないと、少し距離をおこうと思った。


でも、やっぱり心配で。


3日後、部屋を訪ねてみたら。


彼はお風呂場で、手首を切っていた。

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