秘密の告白~おにいちゃん、あのね~
*Episode 4* がまん比べ
僕は、この気持ちに気づきたくなかった。自覚してしまったら、僕はただ待つか耐えるかしかできないから。
どんなに心の奥底に蓋をしようとしても、あの小さな声で、小さな体で、飛び切りの笑顔で、でも確実に何度も何度も揺り起こす。
実際、一回りも年の差のあるカップルは現実にあるだろう。ただ、それはもっと大人になってからのことで、こんなコドモ同士で何かあってしまったら、僕は確実に遥姫の将来をつぶしてしまうことになる。
それは義之さんも母さんも、ましてや僕自身望んではいない。
彼女がいろいろ経験して、それでもなお選択するときに僕を選んでくれたなら、僕はようやく自分の気持ちと向き合えると思う。
ということは、僕は彼女の成長を待ち続け、その間にも彼女が誰かを好きになったり傷ついたり、そしてまた誰かを好きになり……そういう姿を見守っていかなければならないということ。
そんな長い時間を、僕はとてもじゃないけれど耐えられそうになかった。
あの食事会が終わってなんとかいつも通りの日々を過ごし、四か月を過ぎたころだった。
大学も三回生となって1月が経とうとしていて、僕は気持ち的にもタイミング的にもここしかなかった。
「母さん、あのさ」
仕事から帰宅した早々に、母にまずは話した。
「家庭教師のバイト、そろそろ控えたいんだけど」
「な、なにかあったの!?」
かなり驚いていたけど、今までのこともあるし、あらかじめ用意しておいた言葉をただ淡々と説明する。
「なにかって……僕三回生だよ?これから就活も始まるし卒論だって準備しなきゃいけない。時間が作れないんだよね」
僕はいつも通りを心がけて話したけど、これは僕の気持ちを終わらせる物理的な距離も必要だったからだ。
母は僕をじっと見た後、はあ、と息を吐いて「わかったわ」と答えてくれた。
「そうね、そういう時期なのね。早いわねえ」
ため息交じりに台所に向かう母に僕は何だか後ろめたかった。
「ごめんね、母さん」
母から義之さんに話がいき、僕が次に遥姫のもとへ向かうときには義之さんも納得してくれていたようだった。
あとは、肝心の遥姫だ。
どんなに心の奥底に蓋をしようとしても、あの小さな声で、小さな体で、飛び切りの笑顔で、でも確実に何度も何度も揺り起こす。
実際、一回りも年の差のあるカップルは現実にあるだろう。ただ、それはもっと大人になってからのことで、こんなコドモ同士で何かあってしまったら、僕は確実に遥姫の将来をつぶしてしまうことになる。
それは義之さんも母さんも、ましてや僕自身望んではいない。
彼女がいろいろ経験して、それでもなお選択するときに僕を選んでくれたなら、僕はようやく自分の気持ちと向き合えると思う。
ということは、僕は彼女の成長を待ち続け、その間にも彼女が誰かを好きになったり傷ついたり、そしてまた誰かを好きになり……そういう姿を見守っていかなければならないということ。
そんな長い時間を、僕はとてもじゃないけれど耐えられそうになかった。
あの食事会が終わってなんとかいつも通りの日々を過ごし、四か月を過ぎたころだった。
大学も三回生となって1月が経とうとしていて、僕は気持ち的にもタイミング的にもここしかなかった。
「母さん、あのさ」
仕事から帰宅した早々に、母にまずは話した。
「家庭教師のバイト、そろそろ控えたいんだけど」
「な、なにかあったの!?」
かなり驚いていたけど、今までのこともあるし、あらかじめ用意しておいた言葉をただ淡々と説明する。
「なにかって……僕三回生だよ?これから就活も始まるし卒論だって準備しなきゃいけない。時間が作れないんだよね」
僕はいつも通りを心がけて話したけど、これは僕の気持ちを終わらせる物理的な距離も必要だったからだ。
母は僕をじっと見た後、はあ、と息を吐いて「わかったわ」と答えてくれた。
「そうね、そういう時期なのね。早いわねえ」
ため息交じりに台所に向かう母に僕は何だか後ろめたかった。
「ごめんね、母さん」
母から義之さんに話がいき、僕が次に遥姫のもとへ向かうときには義之さんも納得してくれていたようだった。
あとは、肝心の遥姫だ。