ふたりぼっち
***

夕飯を済ましお風呂にも入った後、夏美はぐっすりと眠ってしまった。

私達は夏美を挟んで川の字になり、ベッドに潜り込む。

規則正しい寝息を立てる我が子の頭を優しく撫でながら、反対側にいるアキに声を掛ける。


「夏美、寝ちゃったね」

「ああ、そうだな。何してても可愛いな、夏美は」

「あら、そう? 意外に憎たらしい一面もあるのよ? 」

それを聞いたアキが、「あははっ」っと笑った。


「でも、可愛いだろ? 」

「そりゃぁね。お腹を痛めて産んだ我が子ですもの」


ベランダから聞こえる引いては寄せる波の音が、3人を優しく包む。
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