ふたりぼっち

act.5 絶望の家に

震える足でペタペタと、階段を上がってゆく。

階段を上がり終えると、目の前には寝室があった。朝、目覚めた場所だ。

白いベッドと、シックな時計しかない部屋。


「……あそこには何も手がかりは無さそうね」


部屋に入るより先にそう思い、ふっと視線を寝室の扉から外す。

と、その時。


「あ、あれ……? 」

私の目に飛び込んできたのは、目的地である寝室の隣にある南京錠付きの部屋…………ではなく。

南京錠付きの部屋とは反対側の寝室の隣にある、部屋。


寝室から飛び出した時に、こんな部屋あったっけ……?

朝目覚めてから急ぎすぎて、見落としてしまっていた。

そう、2階には部屋が3つあったのだ。

南京錠のついた部屋のインパクトが大きすぎて、反対側なんて見ていなかった……。


しかも鍵穴がついているけど、新しく発見した部屋の扉はわずかに開いていた。


窓があるのか、部屋の扉からは日光の光が外に漏れている。


「やった! 窓があると言うことは、外に助けを求めれるかも知れない!! 」

一筋の希望を胸に、新たな部屋に飛び込んだ。
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