ふたりぼっち
まず、勉強机を調べ始めた。

勉強机の上には恐らく、男の私有物であろう本が何冊も散らばっている。

古い物から新しそうな物まで、様々だ。

本の内容は、『幸せの秘訣』『イライラしない家族介護』新品そうな『人間の心理学』、古くて変色してしまっている『夫婦とは。』、そんな本ばかりだった。


心理学の本が多く目に付く。


この中に、オートロックのパスワードの手がかりになりそうな本は……見たところ、無いようだ。


次に、上から順に勉強机の引き出しを開けていく。


1番上の引き出しには、文具しか入っていなかった。


「次は、ここね」

2番目の引き出しをガラガラッと開ける。


中には、ワックスや置き鏡が入っていた。


「ここにも、何もないわね……」

そして最後、3番目の大きな引き出しに私は手を掛ける。


「ここで最後、か……」


グッと取っ手を握り、手前にスライドさせた。


引き出しの中には……数枚の手紙が、入っていた。


「なにこれ、手、紙……? 」


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