ふたりぼっち
今まで不安に思っていたことを、全て尋ねれば、男から返ってきた返事は意外なものだった。


「君がなぜあの家にいるのかは……まだ言えない。けど、時が来れば君のご両親には会わせてあげるよ」

「あなた、私の両親を知っているの?! 」


驚きつつも、冷静に現状を整理する。

彼が両親を知っているということは、両親もまた彼のことを知っているに違いない。


男はそれと、と付け足した。


「すまない、全部話してあげたいけど、今話しても全て無駄になるんだ。だから、今は言えない」

「全て、無駄になる……? 」


この男は一体、何を知っているんだろう?
< 38 / 118 >

この作品をシェア

pagetop