ふたりぼっち
***

風呂に入り、寝る仕度を整える。


ハルには毎晩、寝室で就寝してもらうようにしている。


今日も、そう伝えておいた。


ハルが寝付くまで、俺は自分の部屋で休んでいる。


そして彼女が寝付いた頃に、寝室に向かうのだ。


夜中に目を覚ました彼女がパニック状態にならないように。


風呂上がりに渋々パジャマに着替えた彼女が、寝室へと階段を上がっていくのを見届ける。

階段を上がりながら、眠そうに目をこするハル。

恐らく彼女はもう、お茶に混ぜておいた睡眠薬が、効き始めている頃だろう。



「じゃぁ、明日はお世話になっている感謝の気持ちも込めて、うんと頑張って……お料理……ふぁー。あ、作り……ますね」

「あぁ、よろしく。気を付けて階段上がれよ。おやすみ」

彼女はパタパタと階段を上がり、寝室に入って行った。
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