ふたりぼっち
***

「んっ……」


目を覚ますと、そこは真っ暗だった。


背中や肌から伝わる感触からして、私はベッドの上に仰向けになっている。

徐々に目が暗闇に慣れてくると、天井の木目が見えてきた。

「ここは……? 」

起き上がり、辺りを見回す。


部屋の中央にあるこの白いベッド以外には、室内には何もない。


ただ一つあるとすれば、それは壁にかけてあるシックな木の時計だけだった。


時計の針は、午前2時を指している。


初めて見る、知らない、部屋……。


どうして、私はこんな所にいるの……?
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