ふたりぼっち
「ご、……ご両親は、1週間もすれば帰ってくる。それに明日からは土曜日で月曜日も祝日だし、君も俺も3連休だ。いや、金曜日の今日を入れて4連休か。どうやって過ごそう? 」
「あ、そうなんですか? 」
ハルはキョトンとしながらアゴに手を乗せる。
「私、どうやら携帯を家に忘れてしまったようで……。日にちも把握出来ていない状態なんです」
「そう、なのか」
もちろん彼女の携帯は、変に刺激を与えない様に南京錠をつけた2階の彼女の部屋に置いてある。
携帯から得た情報でパニックになられても困るし、これ以上症状が悪化することを防ぐ為にも……携帯は渡せないし、渡すつもりも無い。
「ねぇ、明彦さん。今は平成18年の何月何日ですか?気候からして、10月? 」
「え? あぁ……」
今は、平成20年だ。
そうか、彼女の時は…………事故当時から、止まってしまっているのか。