えんぴつ
「よし、今日はここまで続きはまた今度だ。しっかりと予習してくるように」

教師が言い終えるとタイミングよく授業終了のチャイムが鳴った。

それが鳴り終えると1人の生徒がまた始まりと同じように挨拶をした。
そして、教師が教室から出ていくと生徒達は一斉に動きだした。

「あの、さっきは───」

雅臣がえんぴつを借りた女生徒に話しかけようとしたが。

「刹奈ぁ~次の授業なんだっけ??」

突然横から現れた彼女の友人らしき女生徒が明るい声で問いかける。

「次は、えぇっとね、、美術だね」

「おっ!刹奈の得意科目じゃん!じゃ一緒に美術室にいこっ」

そのまま2人は笑顔でこの場を立ち去っていった。

「…行ってしまった……」

一瞬の出来事に雅臣は唖然とし、気付いた時にはえんぴつを返せ無かった落胆がそこにはあった。

「よぉーー、雅臣ぃっ!!えんぴつって結構いいなって、あれ?どした、地味にテンション低めじゃね?」

異常なほどハイテンションの田原がやってきた、えんぴつでここまではしゃがれても正直困るが、それはともかく雅臣事の経緯を彼に話した。

「なぁるほどな、つまりおまえがチキって声かけぞびれて、そのえんぴつを返しそびれたって訳な」

「君はいちいちカンに障る物言いを治した方がいいと思うが」

「そりゃ、ホントの事だからしかたねぇーだろっ!ネチネチネチネチとこれだから文系は~」

「田原、あまり文系をディスると痛い目みるぞ?」

僕は田原に無言のプレッシャーをかけながら言い放ってみた。

「じょっ、ジョーダンですよぉ~まったく雅臣君はこわいなぁ~っ」

はぁ……やっぱコイツうっとうしい。
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