私たちの失敗
「あ、ごめんなさい…。


 馬鹿にしてるわけじゃなくって、私も先生と同じ間違いをしたばっかで(笑)


 あそこの別れ道、右に行かなきゃいけないみたいです。


 この先は行き止まりでしたよ。」


「そうなの?間違えちゃったかぁ~。」


先生は、来た道を戻り始めた。


私は自転車から降りて、先生の隣に並んで歩く。


「もう集合時間過ぎちゃってるけど、まいっか!」


「え?あと一時間半ありますよ?」


「なーに言ってんの、先生たちは準備することたくさんあるんです!」


「そ、そうなんですか…。」


「冗談だよ、強く言ってごめん、あははっ!」


ドキッ


先生のふわりと笑う横顔に、私は不覚にもドキッとしてしまった。


舞う桜の花びらが、先生の端正な横顔を引き立たせて


とてもきれいだった。


「あなたはこの町に住んでいるの?」


先生が私の方を見る。


その瞳は、どこかさみしげな、けれどとても美しかった。
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