ヘビースモーカー~先生の香り~
1年だけあって、私たちのクラスは4階にあり、保健室は1階にある。
階段を下りて1番奥の一室。
保健室なのにどうして1番奥にあるのかは分からないが、とりあえず気にしないことにした。
階段を下りて真っすぐに続く廊下を歩く。
さっき授業を始めるチャイムが鳴ったためか、とても静か。
しかも、保健室に近づくにつれて少しずつ薄暗くなってきているのは気のせいだろうか。
うん、きっと、多分気のせいだ。
私は、多少ビビりながらも一歩ずつ保健室に近づいていった。
「……ほ、保健室って、こんなに恐ろしいとこだっけ…?」
第一印象はとてもじゃないけどいいもんじゃなかった。
一見は普通の保健室なのに、気、というか、オーラというか。
うん、やっぱり人も建物も見た目じゃないなと再確認した。
だが、せっかくここまで来たのにオーラがどうとか言って引き返すのもどうかと思う。
だいたい、そんな意味不明な理由で戻ったら美紀に何言われるか分からない。
うん、チキンで結構。
「……よし」
私は、意を決して保健室の扉を開けた。