ヘビースモーカー~先生の香り~
「赤いっつーより今は真っ青だな」
そう言って喉の奥を震わせ、口角を上げてククッと笑う。
うん、思った以上に若い。
それは率直な感想だった。
保健室の先生だからか、真っ白い白衣を着てその下には青いシャツに藍色のネクタイが見える。
口には煙草をくわえていて、その煙りが私と先生の間でユラユラ揺れながら消えていく。
髪はいたって普通のセミロングの黒い髪。
目もカラコン入れてなくて真っ黒。
うん、煙草さえなければ普通の保健室の先生に見えるのに。
「おいどうした?」
「……へ?」
怪しい人物をガン見するように見ていた私に、先生が声を掛ける。
「男の目の前でボーっとしてんじゃねーよ。襲われっぞ」
「なっ!?」
教師らしからぬ問題発言につい声をあげてしまう。
そんな私の反応に気をよくしたのか、またくつくつ笑ってプハーと煙草を吹かす。
その煙りがもろ私の顔に当たり眉を潜め手で煙りを払う。
そんな私に、
「ひっでー顔だな」
なんて言ってまた私の顔に煙りを吹き掛けた。
本当にこんな人が先生なのだろうか。
なんて考えが頭を過ぎった。