泡春
春恋

再開

初めて恋をしました。

君の笑顔を見る度に、胸がキュっと苦しくなる。

伝えたいこの気持ち。でも伝えたら今の関係が壊れちゃうんじゃないかって。

あの時自分は、なんで勇気を出すことが出来なかったんだろう。ずっとずっと後悔した。

何度も何度も夢に見た。

もう会えない君の姿、君の優しい声。

君と初めて出会った春から4年目ー。
再び君と出会えました。


ー入学式ー

「せーーーーーなー!!!」
大きな声を出して、飛びついてきたのは親友の奈津(なつ)だ。

「もー、朝から元気だな〜。奈津は。」

「だってだって、入学式だよ!!高校生!!新しい出会いが待ってるかも!」

「何言ってんの、うちの学校エスカレーターなんだからほとんど顔見知りの人ばっかでしょ〜」

「そうだけどさ〜」

そんな話をしながら、自分達のクラスに入る。奈津とは同じクラスだ。


(春か〜、この季節になるといつも思い出しちゃうな、、)

「ーな、、、ーな!!せーな!ってば」

「え、なに?!」

考え事をしていて、奈津の声に気付かなかった。

「あの子、星那の列の一番後の列の子!かっこよくない?!」

(一番後、、、??)

「、、、!!」

「星那??どうかした??」

目を疑った。だって、だってそこには、、、

スラットした体型、横に流した前髪、目の下のホクロ。

間違いない。

「、、宮城、、葵、、くん、、、?」

茶色みのかかった目をした彼が、こっちを見る。

そして向こうも、気づいたかのように大きく目を見開いた。

「星那、、か??」

奈津は、頭の上にはてなマークをちりばめながら、葵くんと私の顔を交互に見ていた。

「え、え、知り合いなの???」

そして思い出したように、奈津が大きく手を叩いた。

「葵くんって、星那がずっと前に話してくれた、あの葵くん?!」

そう、、、この人が、、


私の初恋の人。
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