彼女は心に愛を飼っているらしい
我慢していた。
ずっと。
本当は描きたかった。
じわじわと溢れる想いは全て目から溢れる涙が代弁してくれた。
「はは……っ」
なんだ、まだ描ける。
まだ残ってるじゃないか。
好きだという気持ちが。
消えやしないのに、見えないフリをするなんてバカみたいだと思えた。
自分が見ようとしなかっただけで、僕の心にもきちんとあった。
ぽろぽろと溢れた涙は頰を伝い、やがて床を濡らす。
僕がしたいことは、絵を描くことだ。