キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「目覚まし2個使う!」
そんな失態するものか。だってもし本当にそうなったら、皐月に飽きるまでネタにされるし。
「藍も、いつも通り大人な落ち着きで!」
「ははは、そうする」
藍は言われなくても、テンションが上がった皆をまとめてくるだろうけど。
「碧音君!私ずっと碧音君のこと見つめてるからね!いつでもファンサしてね」
碧音君なら大丈夫って、心の中で信じてるから。
「今からそんな意気込まなくても。ライブは来週」
「もう来週、だよ!」
ライブが大成功しますようにと願掛けでもしようかな、なんて思いながら残りのご飯を食べきった。
――帰り道、見上げた夜空に散りばめられた無数の星も、応援してくれている気がしたのだった。