キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
—――—―—―—
—―……
「やっと昼休みー!明日歌、購買いこ」
授業終了のチャイムとともに菜流がパステルカラーの財布を顔の横でチラつかせる。
「今日はお弁当じゃないんだ?」
「お母さんが寝坊しちゃって。何買おうかな」
私も財布を持って一気に賑わいを増した廊下に出た。
「あ!紀藤さんに橘さんじゃん!」
後ろから聞き覚えのある明るい声がして振り向くと、桐谷くんと碧音君がいた。
「2人とも今から購買?俺らも昼飯買いに行くんだよね」
「なら一緒に行く?」
菜流が聞くと桐谷君が『行こ行こ!ついでに一緒に飯食おうよ、いい場所知ってんだ』と提案。
私も碧音君と一緒にいられるなら嬉しい、もちろん首を縦に振った。