キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「紀藤さん、今購買で売ってる限定のメロンパン知ってる?」


「知らない、何それ?安いの?」


「本物のメロン果汁と果肉を使ったやつで、数量限定!値段は高いけど今週で終売だからさ」


菜流と桐谷君は何を買って食べようかって話題で盛り上がってる。その後ろを私と碧音君で歩いていると。


「桐谷、菜流のこと気になってるっぽい」


こそっと碧音君が2人の背中に目を向けながら呟いた。


「ぇえ?!そうなの?」


「クラスにいるときも、もっと話してみたいって言ってて。だからさっき声かけたんだよ」


「菜流は可愛いし星渚さんと同じで話上手だから分かる」


「だからこのあと2人にしてやろうかなって」


「そうしてあげた方が桐谷君的に良い展開だよね!……でも」


菜流の財布についてる小さな星のキーホルダーに目がいく。碧音君も問題点にはとっくに気づいてるはずだ。


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