キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「「菜流はブラコン」」
と、ハモってしまうくらいには桐谷君には最大の壁だ。
「……頑張れ、桐谷君」
「シスコンとブラコンの間に何とか入り込め」
お互い考えてることが一緒で、つい笑ってしまう。
「ちょっと明日歌、刹那も!早くしないと売り切れちゃうよ!」
「俺ら走って先に行ってるからな!」
「あ、えーと、私達コンビニで買うことにしたから2人で行ってらっしゃい!」
我ながらなんて下手くそな演技、隣から碧音君の『もっとマシな言い方あるだろ』と言わんばかりの視線が突き刺さってくる。
「碧音も?購買のコロッケパン買うんじゃなかったか?」
「……ルーズリーフなくなってたの思い出したからついでに買ってくる。お前らで先食べてて」
「おー、んじゃ紀藤さんと購買行ってくる!」
「おっけ」
菜流と桐谷君は元気に購買目がけて走っていった。意外といいコンビだと思うな、あの2人。
「私達の任務は完了!本当にコンビニ行く?」
「ルーズリーフなくなったのはマジだから行きたい」
「私も消しゴム買っとこ。ご飯は何にしようかなー」