キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


あれ、私達の周りだけ気温が下がった気がするんだけど。


「呼び捨てにしていいの私だけだよ?」


ポン、肩に添えられた手に力が込められていく。


「いや、これはですね?合宿の時にさん付けで呼ばれるのは変な感じがするからって言われて。じゃあ、呼び捨てでっていう流れに」


「へーえ?」


地味に脇腹に団扇をのめり込ませようとするの止めて。痛いから、意外と攻撃的高いから。


「で、でもやっぱり私星渚さんって呼ぼうかな?その方がしっくりくるしなあ!」


冷や汗がタラリ、こめかみを伝う。


「うん!それが良いと思う」


一瞬にして、可愛らしい笑顔に戻った菜流。背後に漂わせていた暗黒のオーラが消え、ほっと胸を撫で下ろす。


危なかった。大切なライブの前に、生命の危機を回避できて良かった。


「なーに2人で騒いでんの」


「あ!星渚!」


ぎゅぅぅう、突然現れた星渚さんに菜流は熱い抱擁。

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