キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「相談するにしても、てめえが言わないと何も話進まねえだろうが」
コトリ、テーブルに私の抹茶ラテが戻された。おかえり、ぬるくなった抹茶ラテ。
「……、分かった。言う」
「おう」
「ライブの時、アンコールで歌ってくれた曲あるでしょ?」
「Feeling waiverな」
「碧音君が考えた歌詞がさ、気になっちゃって」
言えば、皐月の顔つきが少し変わる。
「どこがだよ」
「私の勝手な妄想ならそれで良いんだけど。歌詞に出てくる相手、碧音君にとってすごく大切だったんじゃないかなって。もしそれが、女の人だったらって、思うと」
例え歌詞の中だとしても、碧音君があんなに素直に好意を寄せているなんて珍しいから。
「……はーん。なるほどな」
含みのある言い方だ。
「確か、前に書いた曲だって言ってたよね?でも、碧音君の気持ちが今も変わらずにいたら気になっちゃうじゃん」