キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「なら本人に聞けよ」
「私の話聞いてた?え、聞いてた?」
コテン、わざと首を傾げて聞いてみる。
「聞いてたよ?めっちゃ聞いてたよ?」
同じように首を傾ける皐月の方が圧倒的に様になってるのがムカつく。
「本人に言えないから、こうして悩んでるの!」
「それが最近静かだった理由ってわけだ」
「皐月、歌詞について知ってるよね?」
どういう経緯で書かれたのかを。私の、知らない昔を。
「……知ってる」
もう茶化してふざけたりはしないらしい。
「お前の言う通り、相手は女」
「……そうなんだ」
「一応曲のリズムとかその他諸々に合わせて、抽象的になってる部分もあるけど、ほぼ歌詞のまんま」