キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「ありがとう!!明日歌ちゃんお願いします!!」
さっきまでとは打って変わり生きる希望が見つかったかのような顔で席に戻っていく。私も席について携帯の画面とにらめっこ。
「なんて伝えよう」
だた『会いたい』だけだと無視されるだろうし、そもそも私からのメッセージを見てくれる可能性が低すぎる。こうなったら直接会って頼むしかないよね。
4限の体育が終わって戻ってきたところを美和ちゃんと直撃するしかない。授業中はどうやって碧音君に事情を話して説得するかで頭がいっぱいだった。
—――そして、ついに4限終了を迎えると。ダッシュで美和ちゃんの席へ向かう。
「美和ちゃん、碧音君が体育終わってこの教室の前通ったときに2人で直接話そう!」
「え?!今?」
「事前に説明してから会おうとしても断られる可能性が高いんだよね碧音君の場合」
正直突撃してその場でお願いしてもノーと言われる確率の方が圧倒的に高いけど、まだマシな気がする。
「わ、分かった。教室出て待ってよう」
2人して難関なミッションに挑むような気持で教室を出る。私達を見るたびに周りの生徒が『何してるんだあの子達』みたいな怪訝な顔をしてるけどそれどころじゃないんです!
財布を持った菜流も『バカなことはほどほどにしておきなさいよね~』とシラケた顔で歩いていった。四六時中お兄さんとの自撮りを眺めてる人に言われたくないな!