キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「もしかして作詞作曲したりするの?」


「する」


「すごいね、本当」


自分がもしやれと言われても、当たり前だけど完成しないだろう。きっと星渚さんに高瀬さん、藍さんと4人で一生懸命つくりあげるんだろうなぁ、大変だ。なんて一人考えていると。


ちらり、碧音君を横目で見れば不自然な距離が開いている。


試しに碧音君側に一歩近づくと、更に一歩離れられた。


何故。もう1回何食わぬ顔で距離を詰めると、碧音君が一歩右に逸れる。


はーん、ふーん、へーえ。じゃあこれはどうだ?二歩横に移動してみたら。


「お前、距離感ねえのかよ」


鋭い目付きで睨まれた。


「そっち幅開いてるだろ」


「2人で道占領しちゃいけないでしょ?だから詰めないとなって」


「誰もこの道通ってない」


「そのうち来るかも」


「退け」


退きません。


「碧音君の綺麗な横顔を見ないわけにはいかない!シャープな顔のラインと首筋がここまで至近距離で眺められるなんて!」


「お前今すぐ横断歩道渡れ」


「今渡ったら確実に車とガシャンってぶつかってお花畑見えちゃうけど!」


夜中だからって、これは駅に続く道だから車が途切れることはない。


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