キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
桐谷君は美和ちゃんと碧音君の様子を交互に窺ってハラハラしてる。私も同じだ。
「だから代わりに出来る人はいないかって色んな人に聞いてまわってたら刹那君のことを聞いたの。ギターボーカルやってる男の子がいるって」
碧音君は自分からmidnightのことを言いふらさないけど、何かのきっかけで知った子が構内にいたんだろう。
「無茶なお願いなのは分かってます、でも」
「ごめん、無理」
ピシャリと断言した碧音君。
「今からって無謀だ」
「それでもお願いします!刹那君にしか頼めないの、刹那君が必要なんです!」
美和ちゃんは勢いよくガバッと頭をさげた。
「……碧音君、私からもお願いします。美和ちゃんの先輩達も、碧音君の力を貸して欲しいって思ってるよ」