キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
今まで碧音君が音楽に打ち込む姿をずっと間近で見てきた。
だからこそ断言できる。碧音君なら別のバンドに加わっても観客を魅了させられるって。
頭をあげてチラリと碧音君の顔を見てみたら、不意打ちをくらったかのような表情をしていて。
「……分かった、やる」
「っ本当?!刹那君ありがとう!」
「良かったね美和ちゃん!碧音君もありがとう」
目に涙が滲んでいる美和ちゃんを抱きしめた。
「碧音がライブやるのかー!俺もすげえ楽しみ」
桐谷君もほっと胸を撫でおろして碧音君の背中に手をあてる。
「じゃあ早速軽音の先輩達と会ってもらいたいんだけど、今日の放課後はどうかな?」
「空いてる」
「よかった、軽音の練習場所まで責任をもって案内するから6限が終わったあと教室に迎えにいくね」