キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「大丈夫今回は黙るから!」
どれだけ色気を放っていようと全力でこらえる。
「ふふふっ。2人とも本当に仲が良いね」
「でしょ!」
「違う」
同じタイミングで別の反応を返した私達を見て『ほら、仲良し』とふんわり微笑む。
こんなにおしとやかでふわふわした子がドラムっていうのが意外すぎる。
美和ちゃんに連れられて到着したのは美術室や、実験室、資料室がある西棟。
「軽音ってこっちで練習してるんだ?」
「教室や音楽室は吹奏楽部がパート練で使うから、軽音は一番端なんだ。……ここだよ!」
今は使われていない空き教室を指差して『お疲れさまです!』と挨拶して中に入る美和ちゃん。
入って、と手招きされて私と碧音君も足を踏み入れた。