キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
ポーカーフェイスで全く不安を感じさせない。
白石先輩も頼もしいヒーローの登場に安堵したのか、幾分か表情が柔らかくなった気がする。
「改めて刹那君、私達と文化祭までよろしくね」
雨宮先輩に続いて美和ちゃん含め皆『よろしく!』と笑顔で迎えてくれた。アットホームな雰囲気の部活でいいな。
「まず俺がギターやる前に、先輩達で演奏してみてくれませんか」
今の段階でどこまで曲が完成しているのか聞いてみるんだろう。
佐々木先輩は『midnightの刹那にみてもらえるとかテンションあがる!』とやる気に満ちた様子で準備にとりかかる。
美和ちゃんも使い込んでるってはっきり分かるドラムスティックを手に取り位置についた。白石先輩は碧音君の隣で見守っている。
「美和、真、いい?」
「大丈夫です!カウントとれます」
「俺もいけるぜ!美和頼んだ」
頷きあって、美和ちゃんがスティックで打ち鳴らす。
「—―君と僕で世界の果てへ—―」