キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「何か、あった?」
「大したことじゃないからさ」
笑って曖昧に誤魔化そうとする。でも藍、上手く笑えてないよ。少しやつれた?
「心配になって。前から電話してるとき、やり切れないって表情してるときあったからさ」
「そっか、明日歌ちゃん見てたのか」
困ったな、目を伏せて顔を逸らす。
「でも、ほんと大丈夫。透歌ちゃんは心配しないでいいよ」
大丈夫、まるでそれは自分に言い聞かせてるみたいだ。でも、騙し騙しじゃ限界がくる。
「藍、私は藍が悩んでるなら一緒に答えを探したい。1人じゃ答えを出せなくて困ってるなら、頼って欲しい」
藍にとったら、私なんか子供だし全然頼りないかもしれないけど。少しは役に立てるんじゃないだろうか。
「これは俺の、問題だから」
引かれたボーダーライン。バリアが!バリアが張られた!しかしめげないのが私。
碧音君にめげない心強さを相当鍛えられたからね。
「頼ることも大切です。自分を大事にするのも大切です」
「……(急に敬語)」
「前に藍に言った。話を聞くくらいなら私にも出来ますって」