キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「2人とも1組なんだ?俺らと教室真向かいじゃん」
桐谷君が言うように私達の組と碧音君達の組は廊下の端と端で向かい合っているから一番距離が遠い組同士。
それで組が違えば授業も違うから今まで会ったことがなかったとしても不思議ではない。
今日こうして会えたのも偶然が重なったからだろう。
「で、なんか用?」
「よ、用事があったわけじゃないんだけど、見かけたからつい」
「刹那ってば素っ気ないなぁ」
「そうだぞ可愛い女子が2人も会いに来てくれてんの俺うらやましいわ!」
桐谷君ってノリがいい性格なんだ。初対面なのに接し方に違和感がないというか、コミュニケーションの取り方がうまいなって思う。
「変態とブラコンの相手は無理」
「その言い方やめてもらっていいっすか!」
というか碧音君が色気ありすぎるからいけないんだよ、今だって正直鼻血出そうだよ。出したら今度こそ嫌われるから我慢してるけども。
「つーかお前らこんなとこで話てていいわけ、移動しなきゃなんじゃない」
「あ、そうだ西棟いかなきゃじゃん!明日歌急ご!」
「あと3分!?ダッシュじゃないと間に合わないよ、じゃあね碧音君桐谷君!」
「もう来んな」
「俺には会いに来てね~頑張れ!」
対照的な2人の反応に笑いながらも2人で授業開始に間に合うべく全力で走ったのだった。