キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


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「牧田!誕生日おめでとう」


「さんきゅー」


「藍、今日誕生日なんだってな!これやるよ」


「似顔絵?下手くそ。ルーズリーフがもったいない」


朝教室に入ると次々に誕生日おめでとうと声を投げかけられた。親よりも先におめでとうと祝われる誕生日。


今更気にすることでもないんだけどさ、慣れたし。


眠たくなるような授業をやり過ごし、待ちに待った放課後。珍しく部活が休みになったため、久しぶりに1番仲の良い友達の家で遊ぶことに。


「なあ、藍誕生日なのに俺ん家にいていいのか?」


「んー。全然オッケー」


「外食しに行くとかないのか?」


「んー。しない……隙あり」


「あっ、くそ!」


ピコピコゲーム機を弄りゲームに没頭する。友達の話に耳を傾け返事をしつつも、ゲームメイクを疎かにはしない。


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