キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


やっぱり、落ち着く。


「なみ、えはさ……いる?」


「何が?あ、お菓子くれるの?」


「違う。彼氏、いんの」


「い、いないけど……」


「そう」


絶対今、俺の顔にやけてる。気恥ずかしくて腕で顔を隠し波江に見られないようにした。


「急にどうしたの?そんなこと聞いて」


「気分的に」


「気分的にって。牧田君は気紛れな猫みたい」


「よく言われる」


「あははっ!やっぱり言われるんだ」


顔を隠していても今波江がどんな顔で笑ってるか言い当てられるくらいには、惚れてるよ、俺。


でも、波江も俺がどれだけ女を取っ替え引っ替えで遊んでいたのか知ってるから、大抵俺が波江に分かりやすくアピールしても『はいはい』と流される。


自分に対するこのノリは誰にでも同じだと思われてるようで。


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