キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
ちょっとやそっとじゃ全然ダメだった。俺って信用ないのな。でも諦めずに攻めて漸く波江に俺が本気だと認められた。
「牧田君、このシチュエーションはもしかしなくても」
「もしかしなくても。波江の予想通り」
告白するために波江を呼んだのは、人気のない校舎の片隅。
「波江」
「はい」
「俺、波江が好き。付き合って」
「私でほんとにいいの?」
「波江がいいの」
他の誰かじゃ、意味ないんだって。
「っ……。私なんかで良ければ、こちらこそ付き合ってください」
顔をうっすら赤く染めてあたふたしてる波江が可愛いから、衝動に任せて啄むようなキスを1つ。視線が、絡み合う。
本格的な夏に向けて青葉が萌える、頃だった。