キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
藍がこうして悩んでることも、当然。
自分が傷ついても決意したら一切迷わずに寄り道しないで突き進まなきゃいけない、なんて誰が決めたの。
私はそんな綺麗死んでも藍に言わない、言えない。
「上手く、いかないね」
「何でだろ」
黄色の大輪が夕焼けにより橙色に変化して空も遠くから薄く紺色に色づくなか。
人気のない1本道で私と藍は2人―――泣いた。
藍は涙こそ見せなかったけど、きっと心で泣いていた。瞳がそう物語っていたから。
藍のYシャツにポタポタ私の涙が落ちて、染みを作る。ねえとまらないよ、涙がとまらない。
「春が泣くなよ」