キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
拗ねてる顔は可愛いな。
「弟君と、話せるまであとちょっとじゃない?」
「嫌味でも文句でもいいから返事して欲しい」
「あははっ。まずはそこからね」
こうなれたのも春のおかげだ。春が支えてくれたから、今の俺がいる。
感謝してもしきれない程だ。
夏の帰り道の出来事は忘れない、俺の糧になっているから。
春の暖かい涙と体温がどれ程嬉しかったことか。
「春には十分支えてもらった。だから今度春に何かあったら俺が全力で春を守って支える」
守り切るよ、最後まで。
「今でも藍には守ってもらってばかりだよ?転びそうになったら助けてくれるでしょー、ケガしたら手当てしてくれるでしょ、後は」
「そういう意味の守るじゃないんだけどな」
春は『難しいね』と首を傾げた。
まあ春が分かってなくても、守る側の俺が知っていれば問題ない。
見上げた秋の空が綺麗だった。