キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
【君次第で運命は】
「皆、久しぶり」
「藍!」
スタジオの休憩室に現れた藍に駆け寄る。
「よー。もう大丈夫なん?」
「うん、大丈夫」
「藍が戻ってきてくれて良かったよ。明日歌ちゃんの暴走止めるのも俺、皐月と刹那のケンカを止めるのも俺で大変だったー」
「「「止めてないだろ」」」
私と皐月、碧音君の台詞が見事にハモッた。星渚さん止めてなかったよね、傍観してたよね。
「藍」
碧音君が安心したように名前を呼ぶと『心配かけてごめんな』髪をクシャクシャにして撫でる。
――藍の過去を知った日から約2週間後の今日、波江さんのことが漸く落ち着いたということで戻ってきてくれた。
「春と話し合って、視力を回復させるための手術を受けた。今は術後の経過を見守るために入院してる」
「手術は成功したんだ。良かったじゃん」
星渚さんが喜ぶと、藍もコクリと頷く。成功したのか、本当に良かった。