キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「俺がここに戻ってこられたのは、明日歌ちゃんがあの日追いかけてきてくれたからだよ」


「それもあるけど、明日歌ちゃんを行かせた俺の判断もナイスだったでしょ?」


星渚さんが碧音君を説得して私を行かせてくれなければ、結果は変わっていたかも知れない。


私がその点で感謝する相手は、星渚さんだ。


「……明日歌」


「何でしょうか!」


「ちょっとこっち来て」


碧音君が休憩室から出ていくので、私も後を追う。


「明日歌ちゃん連れて、碧音はどこ行くんだ?」


「実はさぁ、藍が俺達に暫く練習に出られないって言いに来た日に2人ケンカしちゃって」


「碧音も不器用だからなー」


「なるほど。なんとなく予想がついた」


年上組がこんな会話をしていたことは、知る由もない。



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