キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「俺が、感情的になり過ぎてた」
「碧音君……」
碧音君の歪んだ瞳が、頭に浮かぶ。鋭くて、鈍い光を放っていた。
でも、感情を表に出すことは悪くない。
「お互い、藍を思ってぶつかっちゃったんだから、仕方ないね」
大切な人の助け方、守り方は人それぞれ。正解はたくさんある。
どれがその時正解で結果はどうなるかなんて、正確には分からないものだ。
私達は超能力者でも神様でもない。
碧音君は思い詰めた表情で視線を逸らし、何を言うのかと思えば。
「お前に慰められるって何か癪に障る」
「あっれ私良いこと言ったはずなんだけどなー。シリアスな空気だったんだけどなあ」
「感傷に浸る暇があるならお前は1年中お花畑な頭を治してもらえ」
「1年中お花畑なわけないよね」