キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
怖いんだけど。危険な花火大会になりそうで不安なんだけど。
「明日歌は花火どれにする?私はこのカラフルなやつ」
「ん~、じゃあこれにしようかな」
手持ち花火の中から、3色に色が変わるやつを選び藍が準備してくれた焚き火に先端を入れて着火。
「綺麗だね、菜流!」
「火の色が青から緑になったー」
シューッと燃えて眩い光を放つ花火は、深い藍色の空によく映えた。
「刹那、これ持ってみ」
「何の花火?」
「変わったやつらしいよ」
星渚さんが碧音君に可愛らしい怪獣のイラストが描かれた持ち手のある花火を渡して、火をつける。
着火すると、赤くて雪の結晶みたいな形の花火が散った。
「怪獣が火吹いてるように見えるってことか」
「みたいだね」
そして次は黄色の火に変わり、燃える勢いが増す。
「ははっ、うける」
「怪獣のイラストが可愛い割りには結構迫力あるじゃん」
碧音君は怪獣の花火がお気に召したのか、満足気な様子。
星渚さんは、普通の花火よりも変わったやつの方が碧音君も楽しめると思ってやらせたのかも。