キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「だろ?」
シューシューと滝のように火花が流れ落ちていく。
全然危なくないし綺麗じゃん――そう思えたのは最初の数十秒だけだったのだ。
「ちょっ、嘘!いきなり威力増したんだけど!」
シュー、ではなくシュワァーッ!と音も大きくなる。このまま持ってると手に火花飛んでくるんじゃないか。
「皐月どうしよう。離すよ?離すよ!?」
「バッカ、手離したら危ねえだろうが!」
そんなこと言ったって。
怖いものは怖い!花火さんごめんなさいと謝り手を離そうとした、けど。
「これくらいでビビってんなよな、ったく」
パシ、筒を持ってる方の手を包み込むように皐月の手が重ねられた。
背中に皐月の体が、触れる。