キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「っくそ負けた!!」


「えぇー俺も」


「碧音はじゃんけん強いな、いっつも」


「だろ?」


結果、パーを出して1人勝ちしたのが碧音君、他全員グーで負け。


「碧音君と一緒に買い出し行きたかった……!デートしたかった」


「ざまあ」


はっ。鼻で笑い見下されたけど、その表情グッときます。


「次こそ勝つぜ!」


「私も!」


「いくよ。じゃーんけーん、ぽん」


自分の出したものと相手の手の形を見比べる。


「……私の、ばか!」


「ごめんね皆、俺勝っちゃって」


「そうだぞ藍!年下に行かせていいのか?」


「はははっ」


藍さんは涼しい顔で笑って受け流してしまい、反抗は無意味と化した。


藍さんも、この暑さの中わざわざ買い出しには行きたくなかったのかもしれない。


残るは星渚さん、高瀬さん、強制参加させられた私。


どうしよう、星渚さん目が笑ってないよ買い出し行かせちゃいけない気がする。


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