キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
真夜中、愚者達はある目的を果たすために一室に集まった。
狂気が、闇が充満し淀んだ空気で覆われている。
足を踏み入れたら、忽ちドロドロした黒い黒い闇に捕らわれてしまう。
「あいつらが悪いんだ」
「俺達は悪くない」
「悪くないね」
「悪くないよ」
愚者は狂気という名の仮面を被り濁った空気を肺に送り込む。
ヒタ、ヒタ、ヒタリ。
闇が近づいていることには、誰も気づいていない。
危ないよ、逃げないと。
すぐそこまで、迫ってきているのだ。