キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「星渚はね、4番目に出るんだよ」
「あ、ほんとだ」
パンフレットを開き、時間や順番を目で追っていく。
「星渚のバンド人気あってさ、ファンもいるんだから!当たり前だけどね?星渚のバンドだもん」
「すごいじゃん」
はい出ました菜流のブラコン。菜流はお兄さんが大好きで、呼び方も『星渚』と名前で呼んでいる。
菜流の話を聞いていると、多分お兄さんはシスコンなんじゃないかと思われる。
「お待たせしました!これより開演いたします」
「始まったよ」
「うわー楽しみ!」
会場が一瞬でしんと静まり返り、ステージ上の照明が一旦消え、また着いたら一番始めに演奏するバンドの人達が立っていた。
「それでは、お願いします!Bang!でescape」
「「「わぁぁあーっ!」」」
観客の歓声を受け、ボーカルがマイクを持ち熱唱。迫力が半端ない。
ドラムの音も、ギターやベースの音も全て鮮明に聞こえて、これが“生のライブ”なんだと実感する。
やはりバンドの人達の表情を見ることが出来るのは、1つの醍醐味だよね。
「ありがとうございましたー!」