キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
碧音君自身も会いたいって言ってたでしょ。今度愛想笑いの仕方でも教えようか?と、思っていたら。
「来てくれてありがとうございます。会いたかったです」
碧音君の台詞はこっちがびっくりする程直球で、素直だったのだ。
「ふふっ。私も会えて良かったです。チケットも買ってもらっちゃって」
「あ、碧音君が!!素直っ……」
「俺が言いたいことはっきり言って何が悪いんだよ」
「珍しいからびっくりしたの!」
「俺はいつでもお前に本音言ってやってるだろ」
「それは数々の暴言のことでしょうか。え?あれ冗談でしょ?」
「都合のいい解釈だな」
碧音君、そこは否定してくれても良かったんじゃないか。ダメージ半端ない。
「あはは、面白いね」
そんな私達を、口に手を添えて控えめに笑う波江さん。
仕草が大人の女性っぽい。私も真似してみようかな。