キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


3人にありがとうと言うと、当たり前だろと笑った。


3人は当たり前だと言うけれど、他の人達だったらこうはならなかったよ。それに気づいては……いないんだろうな。


「ぱっと見、去年より出るバンド多くね?」


「まじだ。あんま見たことないバンドもいる」


星渚が控え室にいる他のバンドをざっと見る。


「何組出ようが関係ないだろ」


「碧音、それケンカ売ってんぞ」


「皐月もそう思ってるくせに」


碧音が強い視線で皐月の双眸を射抜いた。


「……まあな」


ネクタイをキュッと締め直す。皐月もはっきり口には出さずとも考えてることは一緒なのだ。


「midnightの皆さん、ですよね?」


「覚えていらっしゃいますでしょうか」


誰だと見上げれば、俺達と似た衣装を着た4人組が目の前に。

< 307 / 579 >

この作品をシェア

pagetop