キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
3人にありがとうと言うと、当たり前だろと笑った。
3人は当たり前だと言うけれど、他の人達だったらこうはならなかったよ。それに気づいては……いないんだろうな。
「ぱっと見、去年より出るバンド多くね?」
「まじだ。あんま見たことないバンドもいる」
星渚が控え室にいる他のバンドをざっと見る。
「何組出ようが関係ないだろ」
「碧音、それケンカ売ってんぞ」
「皐月もそう思ってるくせに」
碧音が強い視線で皐月の双眸を射抜いた。
「……まあな」
ネクタイをキュッと締め直す。皐月もはっきり口には出さずとも考えてることは一緒なのだ。
「midnightの皆さん、ですよね?」
「覚えていらっしゃいますでしょうか」
誰だと見上げれば、俺達と似た衣装を着た4人組が目の前に。