キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


言えば口を結び、めんどくさって表情。でも。


「分かった。行ってくる」


「さんきゅー刹那」


「ありがと」


皐月の財布を手に取り、怠そうに出ていった。


「刹那は何だかんだ頼めばやってくれるよね」


「それを知ってて頼んだんだろ。俺もだけど」


口では嫌だと言いつつ結局は行動してくれる。でもそのことを分かってる人間は少ない。


ある程度親しい人じゃければ気づかない、きっと。


なにせ碧音も不器用だから。


「皐月、刹那に毒吐かれるよ絶対」


「散々言われるだろうね。けど皐月は言い返せないっていう」


「コンビニに行ったのに財布忘れてましたなんて恥ずかしくて俺無理」


2人が帰ってくる間、星渚と談笑して待っていた。


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