キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
星渚が言わなくても碧音が言うんじゃないか?
テンポよく進む会話が面白いから、仲介に入るのは止めよう。
何故そこまで会話が続くのか不思議なくらいポンポン口から言葉が出される。
音漏れで聞こえてくるライブ中のバンドの曲も、少しは聞け。
ライブも大体予定通りの時間で進み順調。
あんまり時間がおしてライブが延びると、春が疲れてしまう。それは困るから。
他のバンドメンバーとも他愛ない会話をしながら過ごし約30分以上経過。
「なあ、遅くね?」
「何してんだろー?」
「連絡もないしな」
3人で顔を見合わせる。
「コンビニとは別の場所で買い物してんのかね、あいつは」
「碧音、財布は皐月のものしか持ってなかったぞ?」
言うと少し難しい顔をして星渚は碧音のバッグを開け、内ポケットから財布を取った。